~講師派遣レポート~
長野県安曇野市からの依頼を受け、
12月18日に指定管理者制度に関する研修会に
講師として参加して来ました。
安曇野市は2005年に豊科町、穂高町、三郷村、堀金村、明科長が合併し、
誕生した長野県内6位の人口約10万人の地方自治体で、北アルプスを望む
恵まれた自然を利用した産業があり、豊富な湧き水を利用したワサビ栽培や、
信州サーモンというブランドも開発されたニジマスの養殖でも有名です。
【北アルプスの風景写真】
さて、今回は、現在、直営で運営されている施設の将来像に関して、
最も適切な運営手法を検討すべく開催されている研修会とのことでした。
そして当協会への依頼は、運営手法の1つである指定管理者制度も検討の対象で、
出来れば民間事業者の視点から見た指定管理者制度についての情報も、
是非、参考にしたいとの事からのお声掛けとなりました。
研修会には自治体の職員の方だけでなく、対象施設に関わる一般市民も含め、
40名ほどの参加者の前でお話しすることとなりました。
一般市民の参加もあるとの事を事前に聞いていましたので、協会としても、
指定管理者制度の成り立ちからご説明したほうが分かり易いであろうと考え、
「指定管理者制度のおさらい」
「民間から見た制度運用上の課題」
「適正運用に向けた通達」
「解決すべき課題」
「まとめ」
そして、
「制度導入の留意点、慎重論、問題点と論点」
と言うような内容でお話しをさせていただきました。
【研修会の様子】
指定管理者制度は、公の施設の運営手法の1つであることは事実ですが、
必ずしも全ての施設において、最も適切な運営方法であるかどうかは、
決まっている訳ではありません。
個々の施設の種類や設置目的、その他の環境によって、運営方法が
選ばれるべきであるとしてお話しました。
その上で、公正公平の担保や、公権力の行使に対する責任意識など、
指定管理者として必要な意識についてもお話させていただきました。
今回の研修会を終え、今後の施設運営手法の検討の中で、
少しでも参考になる情報提供となったのであれば幸いです。
協会では、このように地方自治体への研修会へも講師派遣をしております。
是非、お問合せください。
~第3回公共施設マネジャー能力認定講習会レポート~
先週11月26日、27日の2日間で「第3回PFM能力認定講習会」を開催しました。
今回の会場は総会開催でもおなじみの、JR錦糸町駅前のすみだ産業会館。
前回の第2回の講習会から、会員外からの参加者も募集しており、
指定管理者制度に関わる多くの方々に参加頂けるようになりました。
今回は当日のキャンセルもあり、47名の受講者が集まりました。
10月に沖縄県でセミナーを開催したことも切っ掛けになったようで、
沖縄県や鹿児島県からの参加もいただきました。
今回の講習会では協会顧問の間野先生にご担当いただいていた講習Ⅰを、
三菱総合研究所の西松さまにお引き受けいただき、
制度導入の背景や、制度の狙いなどをお話くださいました。
【講習会の様子】
第1回、第2回のアンケートのご意見を参考に、
今回のタイムスケジュールでは、2日目の最後に開催する演習に関する
事前説明とグループワーキングのメンバーの顔合わせを、
1日目の最後に前倒しし、短い期間ではありますが、
受講者同士の意見交換やコミュニケーションが図れるように配慮しました。
【グループディスカッションの様子】
また、前回から1日目と2日目の開始時間をずらした事も、効果があり、
遠方からの参加者にはご好評でした。
今回も受講者皆様ののモチベーションが高く、
2日間の7つの講習と1つの演習は、無事、予定通りに実施でき、
47名様全員が講習の受講を終えたことを確認いたしました。
あとは各講習後に実施した確認テストで基準点を超えられていれば、
12月8日の審査会で全員が能力認定を認められることになります。
また、今回の演習のテーマは「消費税の引き上げについて」とし、
平成29年4月に先延ばしとなった、
消費税10%への引き上げに対しての意見交換の場としました。
【グループディスカッション後の発表の様子】
今回、能力認定講習会としては3回目の開催で、
講習会自体の運営は概ねスムーズに推移できるようになったものの、
講習のPPTや、テキストにはいくつか受講者の皆様から、
更なる品質向上のヒントをいただきましたので、
今後の講習会開催に向けて、見直しを図りたいと思います。
今回のアンケートでは、参加者47名のうち、約9割弱の39名から
「他の人にも受講させたい」と回答を得ることができており、
大半の方にとって有意義な講習会と感じていただいたようです。
講習会にご参加いただきました皆さま、誠にありがとうございました。
また、講師の皆さま、お疲れ様でした。
次回、第4回の開催予定は来年5月。
多くの方に、「ぜひ受講したい」と感じていただける講習会になるよう
更に有意義で魅力のある能力認定講習会の運営に務めてまいります。
ご期待ください。
~講師派遣レポート~
指定管理者制度に関わる研修会に講師の派遣をさせていただきました。
今回の研修会では、
・施設職員の一人ひとりが、指定管理者制度についての再認識。
・継続して次期指定管理者に選定されるためにやるべきことの共有化。
そしてそのために、
・職員の一人ひとりが、勤務する際に意識しておくべきことの共有化。
というような内容を目的としており、それを受けて講師側として、
「次期指定管理者の選定に備えて」というテーマでお話しました。
【講習会の様子】
今回、お声掛けいただいたのは植物園や動物園の指定管理者として、
専門的な技能やノウハウが必要とされる運営を担っている団体様であり、
これまでは非公募で指定管理者の指定を受けてきた経緯があります。
しかしながら、この団体では、「常に危機意識を持って業務に就こう」、
いつ、公募に変更されるかもしれないという不安を、リスクではなく、
「意識改革や業務改善の切っ掛けとして前向きに捉える」ことで、
更に適正で、活性化した施設運営に繋がるとのお考えをお持ちでした。
協会としても、そのような自助努力の積み重ねには共感しますし、
そもそも協会では、公募であろうが、はたまた非公募であろうが、
その施設の運営を任せるに、最も適した指定管理者が選定されることが、
本来、望まれるあるべき姿であると考えていることから、
今回の研修会への講師派遣をお手伝いすることになりました。
研修会は約2時間、前日午後と翌日午前の2回で約80名の参加があり、
「指定管理者制度のおさらい」
「○○市における指定管理者制度の基本方針」
「選定を受けるためには」
「勤務者の意識や言動、態度の重要性」
・・・
「実事例の紹介」
という流れで進めました。
平成15年からの指定管理者制度の動向や、総務省の全国調査
HPからの情報ではありますが、自治体の制度に関する考え方や、
選定の基準や評価方法など、少々、難しいお話も敢えてさせていただきました。
また、「勤務者の意識や言動・・・」の部分では、経営陣にも加わって頂き、
スタッフ全員で接客用語の発声練習を行い、お声掛けの大切さや、
利用者を迎え入れる気持ちの重要さもお伝えしました。
【講習会の様子】
今回の研修で、参加された皆さんの目的が共有化でき、意識が変わり、
毎日の業務が変化することで、必ず、利用者の見る目にも伝わるはずです。
それが施設の評価に繋がり、施設の価値が上がることにもなります。
今でも評価される運営をなされていると思いますが、
それ以上に、素晴らしい施設運営になることを期待しております。
協会では、このように運営団体の社内研修会へも講師派遣をしております。
是非、お問合せください。
~平成27年度第3回講習会(セミナー)レポート~
本年度の第3回講習会(セミナー)を、10月2日金曜日に開催しました。
今回は初めて沖縄県で開催するということから、対象者も限られる中、
どの程度の方にご来場いただけるのか、非常に心配しておりましたが、
90名もの皆様にご参加いただき盛会となりました。
【第3回講習会(セミナー)様子】
参加者は沖縄県の職員の方を始め、自治体の方が約半分、民間事業者半分と、
指定管理者制度の求める官民協働の事業に相応しいセミナーとなりました。
セミナーの冒頭には、会場のご提供と設営にもご協力いただいた
沖縄県唯一の会員様である㈱トラステック仲地社長にご挨拶をお願いし、
「協会会員として沖縄において指定管理者に関するセミナーを開催できたこと、
そして、官民合わせて90名もの参加者を迎えられたことへの感謝の思い。
またこのセミナーが沖縄における指定管理者制度の適正運用に近づく機会としたい」
とのお言葉をいただきました。
【㈱トラステック 代表取締役社長 仲地 良彰 氏】
第一部は協会事務局長の岡部より、大きく4つに区分し
「指定管理者制度の現状 制度導入から今までを振り返って」と題し、
民間事業者から見た指定管理者制度として話しがありました。
最初の「指定管理者制度のおさらい」では、
平成15年9月の地方自治法の改正からの流れの説明があり、
改めて指定管理者制度の歴史を振り返ることとなりました。
次の「民間から見た制度運用上の課題」では、自治体による運用差異、
経費削減に関することなど7つの項目について、民間事業者の視点から提議され、
これを受ける形で、「適正運用に向けた通達」として総務省の通達についての話となりました。
これらの話を踏まえて、「解決すべき課題」として、望ましい指定期間、適正経費の認識、
適切な監査とモニタリングなどの9点を取り上げ、将来に向けた提案としてまとめられ、
「官民が協議してより良い制度にしていくことが必要、官民協議の場が重要である」
として締めくくられました。
今回の参加者が官民半々程度でしたので、それぞれの相互の立場で、
考え方や観点が異なる、ということを相互に確認できた
機会になったように思われました。
【講師:指定管理者協会 事務局長 岡部 禎之 氏】
休憩を挟んでの第二部は、
協会顧問で釧路公立大学の地域経済研究センター所長の佐野先生に、
公共施設マネジメントと指定管理者制度」と題してお話いただきました。
佐野先生の内容は、老朽化していく施設に関するマネジメントの考え方を中心に、
「公共施設マネジメントの意義・背景」から、
「公共施設マネジメントの意義と流れ」
「公共施設マネジメントにおける指定管理者制度の位置付け」
「効果的な公共施設マネジメントに向けて」
「公共施設マネジメントを見据えて」
そして、最後に
「指定管理者制度の方向」という流れでお話いただきました。
沖縄だけでなく、日本全国で緊急課題となっている公の施設の老朽化問題。
施設を所有する官の立場の参加者は勿論、施設の老朽化に伴う修繕などで、
日々、苦労している民間事業者ともに興味のある話題であり、老朽化による改修事業、
また閉鎖や複合化による移転新設などは、指定管理者制度の運用自体に対して、
避けては通れない重要なテーマとして非常に参考になる内容でした。
【講師:釧路公立大学 地域経済研究センター所長 佐野 修久 氏】
第3部は意見交換会として、参加いただいた方から質問のあった内容に関して、
事務局がコーディネーターになり意見を出し合うという形で進められました。
取り上げられたテーマは、
「施設の利便性向上に関する施設の部分改修における指定管理者の裁量について」
「指定管理者の事業収支(収支ー支出)がプラスになった場合の利益、どの程度が適切か?」
「公募要項などで指定された事業収入以外、あまり認めてられないが…?」など、
実務に関係する具体的な内容で、参加者からの意見も加わり、
それぞれが参考にできる内容になった意見交換会になったのではないでしょうか。
今回初めて沖縄でのセミナーを開催することになり、多くのご協力をいただきました。
特に会場準備等でお世話になりました、㈱トラステックの皆様、誠にありがとうございました。
そして、情報を展開していただいた沖縄県庁の皆さま、
その他、多くの参加者の皆様のご協力のお陰で
無事にセミナーを開催することができましたこと
この場をお借りして心より感謝申し上げます。
今後も、指定管理者協会の活動にご期待ください。
~平成27年度 第7回研究報告会レポート~
9月14日月曜日、指定管理者協会の「第7回研究報告会」が、
今年も東京国際フォーラムにて開催されました。
報告会では、協会の提言と活動内容を会員は勿論ですが、
会員以外の一般の方、自治体関係者を含め広く発信する場であり、
今回も総勢80名の方々に参加いただく盛会となりました。
【第7回研究報告会の様子】
第一部では自治体側と民間側の双方の立場でのお仕事の経験がお有りの
株式会社ローカルファースト研究所の関様より、
「地方創生ー官民連携によるまちづくり 民間企業の役割」
というテーマの中で、官民連携の一つの手法として指定管理者制度を
取り上げてお話をいただきました。
【講師:株式会社ローカルファースト研究所 代表取締役 関 幸子 氏】
関様ご自身が、地方自治体の職員であった経験もあり、その後には、
まちづくりを担う外郭団体での勤務や、内閣府で政策企画調査官として
ご活躍されるなど、幅広い視点から指定管理者制度に関わってこられた
ご経験から、とても興味深いお話をお聞きすることができました。
お話の中では、指定管理者制度自身はまだまだ完全な制度ではなく、
数ある官民連携の手法の1つに過ぎない。
もっと、幅の広い視点からこれらのマーケットを見て、指定管理に拘らず、
委託でも、PFIでも、民間事業者としていろいろな挑戦をして欲しい。
民間事業者からもっと柔らかい提案が出てくることを期待したい。
その様な官民の協議の場や、情報交換を有効に展開するためにも、
指定管理者協会の存在は重要であり、ロビー活動なども視野に入れ、
もっと活躍して欲しいとのエールをいただくこととなりました。
休憩を挟み、第二部は情報委員会道越委員長による提言の発表となりました。
6月、7月で計4回の分科会を開催し論議された今年度の提言は、
「地域のニーズを踏まえた新たな指定管理者制度のあり方」
~「ミッション遂行」から「ビジョンの共創と実践」へ ~
と言うテーマで、これまではビジョンやミッションを受けて、
それを遂行するという立場から、地域ニーズを把握することで逆に、
指定管理者側よりビジョンやミッションを掲げ、実践する方向で進みつつある
という内容にまとまり、5年前に発信された協会の平成22年度提言である
「公の施設ビジョンと指定管理者に基づく指定管理の環境づくりに向けて」
を進化させた形となりました。
提言前半では、指定管理者制度を改めて振り返り、公の施設が設置される目的や
意義の再認識し、同時に民間事業者が事業を継続するための動機を踏まえた上での、
今後の指定管理者制度について環境整備が需要であることを示しています。
後半は、指定管理者としてミッションを遂行するというだけではなく、
官民のビジョンの共創とその実践を求められようとしています。
そのためには、①官民双方での意識共有、意見交換、②多様化する社会要請
への対応、③ビジョンの競争と実践、が必要であると締めくくりました。
【情報委員会 道越委員長】
第三部は協会事務局からの活動報告で、セミナーや講師派遣の報告、
啓発ポスター活動、共通CSモニタリングツールの案内に加え、昨年より
スタートした能力認定制度についても、過去2回の講習会の実績報告と、
11月に予定の第3回講習会の事前告知を行いました。
最後になりましたが、今回も本提言をまとめるにあたり、
分科会に参加いただいた会員の皆様をはじめ多くの皆様にご協力いただき、
このような提言を発信することができました。
今回の研究報告会にも多くの皆様にお集まりいただき
心より御礼申し上げます。
この提言が、発表しただけで終わることなく、その実現に寄与できるように、
指定管理者協会として活動を続けてまいります。
これからも当協会の活動にご期待ください。
◆平成27年度提言及び提言のまとめをこちらで公開しています。
~静岡県主催「企業等への施設紹介フェア」レポート~
8月3日月曜日、静岡県が主催する「企業等への施設紹介フェア」に参加してまいりました。
JR東静岡駅直ぐの施設「グランシップ」での開催で、
自治体側としては静岡県始め県下の5市町が参加し、
事業者側も50弱の団体から申込みがあったとお聞きしております。
今回、自治体側としては指定管理者制度、運用の中で1つの課題でもある、
適正な公募として競争を実現するためのPRが目的であったようで、
これは各施設のプレゼンテーションや、その後の個別相談などの状況から、
ほぼ当初の目的は達成できたのではないか。と思えました。
このような複数の自治体が集まり、施設PR会などは珍しく、
協会の知る範囲では、全国でも初めてではないかと思います。
また、その後に官民の両者が参加する合同意見交換会も、
静岡県さまの主導で、官と民が抱える課題の情報交換を目的に開催されました。
自治体側約20名、事業者側も約50名程度の参加があり、
このような場も、非常に珍しく官民の相互理解の場としてとてもよかったと思います。
指定管理者協会はこの合同意見交換会にコメンテーターとして参加し、
官民の橋渡し役として協会で把握している自治体様からの問い合わせ事例や、
事業者側の意見などを発言させて頂きました。
このような官民の意見交換の場は初めてとあり、どこまで発言してよいのか、
官民とも戸惑う場面もありましたが、司会者の進行に添って、
一定の意見交換は実現でき、非常に価値のある相互理解の為の機会だったと思います。
企画いただいた静岡県の行政改革課の皆さまには、心よりお礼申し上げます。
また、その企画に賛同され、ご参加された自治体の皆さま、
そして民間側から参加された、多くの事業者皆さまそれぞれの思いが、
この制度を更に有効で魅力的な制度としていく力になると感じました。
私ども指定管理者協会としても、このような機会に参加させていただき、
微力ながらお手伝いさせていただけたこと感謝しております。
また、併せて、非常に勉強になり、今後の協会活動に活かしてまいります。
誠にありがとうございました。
~平成27年度 第4回分科会レポート~
7月15日(水)に三菱総合研究所にて、第4回分科会が開催されました。
分科会も今回で最終会となり、提言の概要が大体、決まることになります。
参加者は9団体、20名でした。
テーマは前回同様「地域のニーズを見据えた新たな指定管理者のあり方(案)」とし、
サブタイトルも、~管理代行から政策立案支援への期待~という内容で、
読み合わせをベースに議論されました。
新たな価値を生み出している事例も増えてきているという話があり、
もともと管理代行としての指定管理者が、時間の経過と共に、その役割を広げ、
今では、政策課題に対する事業成果を出し始めている。
そういう意味では、政策立案まで担えるのではないか?との話もありました。
今回も、その延長から始まった論議ではあったが、採集の提言案として考えると
言葉の整理などを慎重に進めなければならないとして、活発な意見交換となりました。
特に、「管理代行」「政策立案」と過去の提言で協会側より発信してきた、
指定管理者の「ミッション」と公の施設の「ビジョン」という言い回しとの
整合性などもしっかり検討されました。
また、民間事業者の事業目的のひとつである適正な利益の確保については、
指定管理料としての収入のほかに、利用料金の拡大や自主事業による収入があり、
これらが適正な運用の中で効果的に実施されるような、
環境づくりが求められるという意見があり、条例はじめ、多くの制約があり、
期待するほど民間事業者のノウハウが活用できていないとの思いからの意見でした。
また、直接事業に関わらない、情報公開や行政監査への対応が、
自治体側の想像以上に事業者の負担になっており、ノウハウの流出と共に、
更なる適正運用を求めて行くべきであるとの方向となりました。
提言の中心となる第3章では、
「地域のニーズを見据えた新たな指定管理者のあり方」について、
官民が相互理解を行うことで、指定管理者の当初の目的である管理代行だけでなく、
政策立案支援や実践を具現化できる事業者として、
これからももっと期待され、また、実践の場に居る必要があると感じました。
そのためにも、いまだに解決されていない多くの課題に対して、
一層の相互理解を望みたいというような流も含まれると思われます。
今回で全4回の分科会が終了し、8月末までに事例の収集や最終修正を済ませ、
今、以上に民間事業者のノウハウを、もっと活用できるような、
有意義な提言になるようにしていきたいと思います。
今回の「平成27年度提言」は9月中旬開催予定の研究報告会にて発表し、
その後、全国の自治体初め関係部署に発信して行きたいと考えております。
ご期待ください。
~平成27年度 第3回分科会レポート~
7月1日(水)に三菱総合研究所にて、第3回分科会が開催されました。
今回の参加は9団体、16名。
いつもより少ないメンバーでの分科会となりましたが、
その分、思いの入った議論になったように思います。
今回は、第2回の分科会での提言案に対する参加者の意見交換をもとに、
改めて、コーディネータに取りまとめを依頼し、先の提言案から少し修正された
構成案を提示しながらの討議となりました。
新たに提示した構成案は、
「地域のニーズを見据えた新たな指定管理者制度のあり方」というテーマで、
それを受けるサブタイトルとして、
~管理代行から政策立案支援への期待~
という内容で、第2回の分科会での白熱した議論をベースに作られていました。
前2回の分科会で、指定管理者が新たな価値を生み出していたり、
施設の管理運営の域を超えるような事業を実践することで、施設の活性化は勿論、
地域の活性化につながっているような事例が挙げられていました。
それらは指定管理者制度が実は新しい意味合いを担い始めているのでは?
引いては、指定管理者は単なる施設の管理運営者であるだけでなく、
一部の政策課題を解決できるような、提案や事業活動が出来るのではないか?
というような意見交換に繋がってきていました。
また、それと併せて、そのような新しい提案が採択され難い現状もあるとして、
経費削減のみに重きを置いたような選定や、想定外の提案は受付られないなど、
民間活力を活用するにはまだまだいくつもの障壁が残っていることも、
事例や体験談とともに露となりました。
指定管理者制度を活性化させ、更に魅力ある事業に改善するには、
そもそもの意識改革が重要ということに行き着くように思われます。
これからの指定管理者は単に施設の管理代行者という位置づけではなく、
行政課題、政策課題をも解決できるような施策の立案や提案、
そして実践までを具現化できる事業者であることが求められる。
そんな将来像を指定管理者側より発信するのも必要ではないか?という、
先進的な意見も出てまいりました。
その上で今回の提言は、目前の問題点も列記しつつ、
官民がしっかりと相互理解をすることで、管理代行だけでなく、
政策立案支援や実践を具現化できる事業者として、期待されるべきだろう。
そして、官民ともにその方向を見据えながらも、先ずは足元の課題を
解決していかなければならず、そのためにも一層の相互理解を望みたい。
というような流れになろうかと思われます。
残す分科会はあと1回、これまでの議論の元に、更なる議論を重ね、
指定管理者制度である民間事業者のノウハウを、もっと活用できるように、
有意義な提言になるようにしていきたいと思います。
最終回の第4回は7月15日(水)10時~12時。
ご注目ください。
~平成27年度 第2回分科会レポート~
6月17日(水)に今年度の第2回分科会が三菱総合研究所にて、
9団体、20名の参加で開催されました。
今回は、先日の第1回分科会での意見交換をもとに、
コーディネータが取りまとめた提言構成案を題材として、
追加すべき内容や、抜け漏れなどに関して話し合うことになりました。
情報委員会の道越委員長が、第1回分科会で発言された意見を確認し、
コーディネータがまとめた構成案「指定管理者制度の価値向上」に対し、
参加者から自由に意見を出し合う形で進みました。
まず最初に、行政が公の施設保有する目的や意義の再確認から始まり、
一方で、管理運営主体となる民間事業者が事業を展開する目的などと、
何が合致し、何が異なるのか、などを発言しあう形となりました。
また、折角、指定管理者協会から広く発信される提言なので、
「指定管理者制度において、民間事業者をもっと有効活用するためには、
行政の方々に、もっと民間事業者の○○○○○な点を期待してほしい。
そうすれば、民間事業者はもっと期待に応えようとしますよ!」
というようなまとめ方だと理解して貰い易いのでは?
との意見もあり、提言のまとめにも参考になりました。
その後の論議の中では、
制度導入の目的は「経費の削減とサービスの質の向上」と言われてきたが、
実際、導入当初の多くはコスト削減が最大の目的だった。
ただ、社会環境が大きく変化してきた今、指定管理者制度に期待されること、
求められることも変わってきているのではないか?との声も上がり、
制度として、一つの転換期に来ているのかもしれないと認識するに至りました。
実際に、10年前から比較すると、安定した安心安全な施設の管理運営から、
地域の活性化、コミュニティの醸成、住民の健康増進など、
一回り大きな目標の達成が期待され、中には現政権の推す「地域創生」に、
直接的に関わるような事業を求められる事例もあるようでした。
参加者から、施設毎の様々な特色ある意見が飛び交い、事例が紹介される中で、
指定管理者制度に求められることが変化してきつつあること、
そこに民間事業者のノウハウを活用させたいとの思いがあるにも拘らず、
官民の相互の立場の理解が希薄なことから、様々な障壁が存在しており、
なかなか、民間事業者のノウハウを上手く展開できていないという
実態があることが再確認されました。
もっと、上手く民間事業者を活用するための相互理解が必要であること、
今回も、参加者の皆さんには、積極的に発言いただき盛会となりました。
次回の第3回は7月1日(水)10時~12時。
コーディネータを中心に、大筋の方向性まとめ、
有意義な「提言」になるように進めます。
次回、第3回分科会にも、ご注目ください。
~平成27年度 第1回分科会レポート~
今年度も分科会の季節となり、6月3日(水)に第1回が開催されました。
分科会では、毎年9月の研究報告会での「提言」発信につながる、
今年度の提言のテーマ選定から、課題の抽出、解決策の策定、
そして、そのまとめまで、「提言」作成の一連の流れを進めてまいります。
【提言 見本】
分科会の推進役は情報委員会の道越委員長で、
コーディネータとしてご参加いただく三菱総合研究所の小宮山様との役割分担で、
今回も、活発な分科会運営を進めていただけました。
第1回は指定管理者側の立場から考える「施設価値の向上」のためには、
という観点から、制度上のどんなことが課題で、障壁となっているのか、
また、何が原因で制度の更なる活性化が進まないのか、
管理運営上の課題が改善されにくい裏にある真の問題は何かなど、
これまでの提言よりも、幅広く、深く制度を捉えながら、残り3回の分科会で、
一定の「提言」にまとめることを考えております。
今回の分科会では、官民協同と言いながらも指定管理者制度の認識のズレや、
官民相互の理解不足から来る「官民のギャップ」が根底にあるのではないか、
他にも、施設の老朽化や、非常時の管理運営の問題、情報公開の課題や、
民間事業者のノウハウの定義など、さらには、目的外使用の運用や、
自主事業に関わるような課題も議論の対象とし自由に発言いただきました。
今回も、参加者の皆さんには、積極的に発言いただき、
幅広く実体験に基づいた意見交換、情報交換ができました。
第2回は6月17日(水)10時~12時。
コーディネータを中心に、情報委員会、事務局で今回の議論の中から、
大筋の方向性を複数にまとめて次回の分科会に備えたいと思います。
残り3回の分科会の中で、事例紹介や課題調査なども交えながら、
「施設価値の向上」という指定管理者制度の大きな役割について、
有意義な「提言」になるように進めます。
次回以降の分科会にも、ご注目ください。
~平成27年度第2回講習会(セミナー)レポート~
5月26日、30度を越える夏日になった名古屋にて、
第2回講習会(セミナー)を開催いたしました。
徐々に公募案件も各地で出てきつつある、忙しい時期ではありましたが、
53名の皆様に参加いただけ、盛会となりました。
今回の講習会は、第三部構成となっており、基調講演、最新動向、
そしてパネルディスカッションという流れで進みました。
【第3回講習会(セミナー)の様子】
第一部は首都大学東京の大杉教授に基調講演として、
「指定管理者制度の現状と課題、そして将来へ」というテーマでお話いただきました。
制度導入10年の振り返りから始まり、制度の運用上の課題として、
「制度の意義」、「指定期間」、「選定」、「リスク分担」などが確認されました。
これらを含め、指定管理者制度の将来的な可能性や展望については、
目的を持った制度の更なる活用や、利用者ニーズの活用のお話に続き、
事業者(指定管理者)から見たのびしろや、自治体による制度周辺の
魅力的な環境整備の必要性などを説明いただきました。
【講師:首都大学東京 教授 大杉 覚 氏】
第二部は一般財団法人地域整総合整備財団(ふるさと財団)の岡田参事役に、
「指定管理者による新たな事業価値の創造」というお話をいただきました。
最初は指定管理者制度は進化してきているというお話から入り、
単に公の施設の管理運営だけが指定管理者制度の成果ではなく、
新たな事業価値が出てきつつあるという視点で、昨年度のふるさと財団の
研究内容を交えながら、具体事例を元にお話いただけました。
最後には、私的な意見としながらも、柔軟な発想による指定管理者制度の
将来像のようなお話もお聞き出来ました。
【講師:一般財団法人地域整総合整備財団 岡田 正幸氏】
一部、二部の講演を受ける形で、第三部はパネルディスカッションとし、
ファシリテーターを協会企画委員の白木氏(シンコースポーツ)にお願いし、
大杉教授、岡田参事役に加え、民間事業代表として
協会企画委員の道越氏 (日比谷花壇)と同じく、薬師寺(アクティオ)のメンバーで進みました。
ディスカッションでは一部、二部の講演内容に関するところからはじまり、
民間事業者としての事例や、考え方も含め、色々なお話に展開し、
参加者にもご意見を伺いながら、フランクな意見交換の場となりました。
【パネルディスカッションの様子】
制度導入から10年が経過し、一定の制度の定着が見られる中、
「改めて、このような意見交換、情報交換の場に参加できたてよかった」
との、声も複数いただきましたが、指定管理者制度は常に変化しており、
常に、情報や事例を共有化し、進化していく必要のある制度であり、
そして事業であると再認識する機会となりました。
今後も、指定管理者制度に関わる講習会(セミナー)を、可能な範囲で、
開催してまいりますので、是非、ご参加ください。
~指定管理者協会の講師派遣事業に関するレポート~
指定管理者制度で運用される施設に勤務する職員として、
知っておべきこと、理解しておいたほうが良いことなどを、
2部構成、約3時間の内容にまとめて行いました。
ご依頼いただいたのは、制度導入当初から指定管理者として複数施設を
運営なされている会員団体で、一定の経験と実績を積まれておられます。
今回、指定管理者協会への参画を機に、改めて、制度の基本や、
職員の勤務に対する姿勢や考え方に関して、社外から学び、
更に、適正で魅力的な運営ができるような機会としたいとのご意向でした。
協会事務局では、過去のセミナーや講習会で事務局の資料として作成した
「制度とその課題」や「従事する職員の心得」「公の施設に勤務するとは・・・」
などという資料から、再構成し、5月14日、18日と2回に分かれて、
全体で30名超の方々にお話させていただくことになりました。
受講者は施設の職員の方とお聞きしておりましたが、実際には本部側の方や、
経営層の方もご参加いただき、講師としても緊張する場面もございましたが、
館長職や職員の方々だけでなく、スタッフの皆さんにも分かりやすいように、
お話できたのではないかなと思っております。
指定管理者制度が導入され10年、制度運用に慣れてきた反面、
基本を忘れがちにもなることから、このように社員研修などの場で、
協会の活用をしていただくのも、よい機会になるかと思います。
協会としましても、実際の現場の緊張感を肌で感じる機会でもあり、
可能な範囲で対応させていただきますので、是非、ご検討ください。
~第2回公共施設マネジャー能力認定講習会レポート~
先週5月21日、22日の2日間で「第2回公共施設マネジャー能力認定講習会」を
無事開催することができました。
【講習会の様子】
今回の講習会は、会員外からの有料参加者も加わり、
定員を超える53名の受講となりました。
昨年11月の第1回講習会以降、受講者からの
アンケートの回答を参考に、講習内容や資料の見直しなどを行い、
更なる内容の充実をもって今回に望みました。
運営面でも、前回受講者からの要望を受け、
遠方からの受講者も参加しやすいように、初日の開始時間を遅らせ、
2日目の終了時間を前倒しとしました。
2日間の7つの講習と1つの演習は、予定通りに実施でき、
53名全員が講習を終了しました。
残るは、確認テストの結果で、審査会は6月3日の次回企画委員会の際に開催され、
公共施設マネジャーとしての能力が認定されることになります。
【グループディスカッションの様子】
今回、能力認定講習会としては2回目の開催ではございましたが、
初めての有料講習会でもあり、受講者の感想が気になるところでしたが、
回収したアンケートでは、53名の受講者の内35名から、
「他の人にも受講させたい」と回答を得ることができており、
大半の方に有意義な講習会と感じていただいたようです。
また、併せて、アンケートではいくつかのご意見もいただいております。
次回、第3回の開催予定は11月。
多くの方に、「ぜひ受講したい」と感じていただける講習会になるよう
頂戴したご意見を検討し、可能な範囲で対応し、更に有意義で、
魅力のある能力認定講習会となるように務めてまいります。
講習会にご参加いただきました受講者の皆さま、
誠にありがとうございました。
また、講師の皆さま、お疲れ様でした。
~平成27年第4回定時社員総会・第1回講習会(セミナー)レポート~
平成27年2月20日、一般社団法人指定管理者協会の第4回定時社員総会が開催されました。
当日は正会員、準会員、賛助会員とその他の関係者を併せて82名の参加者をいただき、
盛会となりました。
【総会の様子】
定時社員総会における「社員」は定款にて正会員のみと定められており、
準会員、賛助会員は総会ではオブザーバーと言う立場となります。
今回、その社員である正会員は全31団体中、20団体の出席と
10枚の委任状の提出を持って、適性に会が成立し、議事が図られることとなりました。
議事は、平成26年度の事業報告と収支報告、監査報告を承認の後、
平成26年度の計算書が賛成多数で決議されました。
続いて、平成27年度の事業計画と収支計画も承認されました。
平成26年度の報告の中では、消費税の税率引き上げや、
昨年、多発した自然災害とそれによる施設運営への影響などがあったことに加え、
11月に実施した新たなサービスとしての「公共施設マネジャー(PFM)能力認定制度」の
報告がされました。また、平成27年度の事業計画ではその資格制度の更なる改善と、
一般向け開催としての5月、11月の講習会実施の計画が発表されました。
その後、新年度役員の改選があり、理事に立候補された6人と
任期2年の監事に立候補された1人の全員が満場一致にて理事及び監事に選任され、
今年度の事業を推進していくこととなりました。早速、定時社員総会後の第1回理事会にて、
理事長、副理事長が互選により決定し、各委員会活動の管掌理事も決定することとなりました。
理事長 桧 森 隆 一 (嘉悦大学)
副理事長 石 崎 克 己 (シンコースポーツ株式会社 代表取締役社長)
理 事 植 村 敏 明 (アクティオ株式会社 相談役)
理 事 野 々 村 孝 志 (サントリーパブリシティサービス株式会社 代表取締役社長)
理 事 宮 島 浩 彰 (株式会社日比谷花壇 代表取締役社長)
理 事 山 田 賢 治 (株式会社協栄 代表取締役社長)
(理事は五十音順)
監 事 相 場 有 二 (相場有二税理士事務所)
このように第4回定時社員総会は、全ての報告と議案を審議し、15時に閉会することとなりました。
30分の休憩時間を挟んで、第1回講習会(セミナー)を開催し、90名の方々にご参加いただきました。
今回のセミナーは当協会の理事長でもある嘉悦大学の地域文化経済研究所の所長、
桧森隆一先生から、有識者の視点と実務者に近い視点から見た
指定管理者制度に関してお話いただきました。
【嘉悦大学 檜森 隆一 氏】
桧森隆一先生のお話の中では、指定管理者制度はまだまだ制度導入が進むであろうこと、
一方で導入される施設は徐々に小規模化していく可能性があること、
その傾向から地縁組織の制度参入が進むであろうことなどのお話があり、
これらの背景には、地方自治体の財政逼迫と施設の老朽化という、
全国の自治体が避けては通れない課題があるということが良く理解できました。
また、実務者に近い視点からのお話としては、
仕様書に記載されていることを実施するのは当たり前で、
民間事業者が指定管理者として管理運営するには、自治体側が想定していない+αの提案と
実践が必要であり、それが利用者や市民へのサービス向上に繋がることが、
指定管理者制度に求められる到達点ではないだろうかという興味深いお話もありました。
事務局の不手際があり、質疑応答の時間を取ることができませんでしたが、
その後の懇親会にていろいろと意見交換が弾んだように思います。
17時過ぎより会場を変更し、懇親会を開催しました。
意見交換の場、名刺交換の場として懇親会を開催し、71名の皆様に、ご参加頂きました。
冒頭に改めて代表理事に就任いただいた桧森理事長より挨拶があり、
植村理事から乾杯のご発声の後、歓談が始まりました。
参加者同士の新たな繋がりもこれまで以上に作られたように思います。
懇親会では安全標語の優秀作品の表彰式、新規入会会員の紹介とご挨拶などを挟み、
有意義な情報交換が行われたものと思います。
最後まで、ご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。
【懇親会の様子】
最後になりましたが、協会の事業年度も5期目となりました。
指定管理者制度が更に活性化し、指定管理者が公共の一翼を担っているという自負を持って、
協会活動を展開していきたいと思います。
※今後とも協会活動にご理解とご協力を、どうぞ宜しくお願い申し上げます。